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■ 幻住庵跡

行く春を近江の人と惜しみけり

芭蕉と詠み、こよなく近江を愛しんだ松尾芭蕉が、元禄3年(1690)、奥の細道の旅から戻り、およそ4ヶ月間、住んだところ。石山の奥の静かな山中、 近津尾神社境内に跡碑と句碑があっただけであったが、平成3年に綺麗に復元された。

 森川許六筆「芭蕉行脚図」
(天理図書館蔵)

門人である膳所(ぜぜ)藩士菅沼外記の父が住んでいたこの庵での仮住まいの様子や、歩んできた俳諧への心境を述べて、「奥の細道」とともに評価の高い「幻住庵記」は

先ず頼む椎の木もあり夏木立

で結ばれている。環境が良く保存され、今なお鬱蒼とした木々の中に、椎の木も見られ、「とくとくの清水」からは、変わらず清水が溢れ出し、まだ古びていないのが少々残念だが、庵は当時を偲ぶのに大きな手助けとなる。

新しく建設された「幻住庵」

・  大津の地で読まれた句  を何句か.........

 

病雁の夜寒に落ちて旅寝かな     本福寺にて

大津絵の筆のはじめは何仏     --勧進版 より--

三井寺の門敲(たた)かばや今日の月     --西の雲 より--

山路来て何やらゆかしすみれ草   --野ざらし紀行 より--  小関越()にて

石山の石にたばしる霰かな     --あさふ より--

鎖明けて月さし入れよ浮御堂

比良三上雪さしわたせ鷺の橋     --翁草 より--

四方より花吹き入れて(にお)の波     --卯辰集 より-- 

湖や暑さを惜しむ雲の峰     --笈日記 より--

白髪抜く枕の下やきりぎりす     --泊船集 より--

五月雨に隠れぬものや瀬田の橋     --あらの より--

世の夏や湖水に浮ぶ波の上

名月は二つ過ぎても瀬田の月

目に残る吉野を瀬田の蛍かな     --真蹟詠草 より--

唐崎の松は花より朧にて     --野ざらし紀行 より--


(注)
  
小関越:逢坂の関の少し北よりの山道園城寺のある長等へ通じている。
     この句は貞享2年(1685)初めて芭蕉が大津を訪れたときのもの

 

JR琵琶湖線石山駅から京阪バス15分"国分町"下車徒歩5分、
入園無料、  9:30〜16:30 
:月曜日  077-533-3701 大津市国分2丁目5

 

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【L.U】03.07.11